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滑舌のチェック方法
2022.10.19(水)
■滑舌のチェック方法
滑舌(かつぜつ)というのは、しゃべることを仕事としている人が気にすべきことのように思われがちですが、その良し悪しについては一般の方もしっかり把握しておく必要があります。なぜなら、滑舌は口腔機能の状態を反映しているからです。そこで今回は、滑舌をチェックする方法についてわかりやすく解説します。
▼オーラルケアディアドコキネシス
滑舌を簡便にチェックする方法としては、オーラルディアドコキネシスがおすすめです。介護や医療の現場でも活用されている方法で、どんな場所でも短時間で簡単に行うことができます。
◎「パ」「タ」「カ」をできるだけ速く発音する
オーラルディアドコキネシスでは、「パ」「タ」「カ」という言葉をそれぞれ5秒の間にできるだけ多く発音することで、滑舌のチェックが行えます。健康な人なら1秒間で「パパパパ」と4回以上発音することができます。1秒間に2~3回しか発音できない場合は、口腔機能の低下が疑われます。0回の場合は、かなり深刻な状態なので、早急にリハビリテーションなどを行う必要が出てきます。
▼滑舌のチェックでわかること
オーラルディアドコキネシスを実施することで滑舌の良し悪しが判定できますが、それ以外にも咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)などの機能もある程度、把握することができます。というのも、私たちが食べ物を噛んだり、飲み込んだりする際には、舌や口腔周囲の筋肉が複雑に連動しているからです。そうした口腔全体の機能を簡便にチェックできるのが滑舌の検査なのです。
▼まとめ
このように、滑舌のチェック方法であるオーラルディアドコキネシスは、誰でも今すぐに行えるものですので、最近滑舌が悪くなった、と感じる方は、一度試してみてください。健常値を下回る場合は、口腔機能の低下が疑われます。もちろん、歯並びや顎の骨の形などによっても滑舌は悪くなることもありますので、とりあえずは一度、歯医者さんに相談してみましょう。
ドライマウスについて
2022.10.05(水)
■ドライマウスについて
お口の中が乾燥するドライマウスは、単に不快な症状が現れるだけではありません。お口の健康に害を及ぼすこともあるため、十分に注意しなければならないのです。そこで今回は、ドライマウスの原因とそれに伴う悪影響についてわかりやすく解説します。
▼ドライマウスの原因
ドライマウスの主な原因は、唾液分泌の低下です。緊張したり、強いストレスを感じたりする機会が多い人は、唾液の分泌量が低下しがちです。ご高齢の方は、唾液腺の委縮によって唾液分泌量が低下します。いずれも唾液腺をマッサージするなどの改善方法がありますので、心当たりのある方はお気軽に当院までご相談ください。
▼ドライマウスによる悪影響
◎虫歯や歯周病にかかりやすくなる
口腔内が乾燥するドライマウスは、虫歯や歯周病のリスクを上昇させます。唾液には抗菌作用、殺菌作用、自浄作用など備わっているのですが、ドライマウスによってその働きが弱まると、細菌の活動が活発化します。その結果、虫歯や歯周病のリスクが上昇します。
◎口臭が発生しやすい
口臭の主な原因は、お口の中に存在します。とくに歯周病菌が産生するメチルメルカプタンというガスは、強烈な臭いを発することから口臭の原因となりやすいです。ドライマウスはそんな歯周病菌の繁殖を促すことにもつながります。
▼ドライマウスの改善方法
唾液分泌量の低下によるドライマウスは、唾液マッサージで改善できることが多いです。口呼吸によるドライマウスは、鼻呼吸への移行が必須となります。それぞれのケースに応じた最善な方法を選択する必要があるので、ドライマウスにお悩みの方はまず歯医者さんに相談することをおすすめします。
▼まとめ
このように、ドライマウスは虫歯や歯周病といったお口の病気のリスクを上昇させるため、放置するのは賢明でありません。お口の健康維持・増進のためにも、ドライマウスは積極的に改善していきましょう。
8020運動について
2022.09.21(水)
■8020運動について
国や歯科医師会は、皆さんのお口の健康のために「8020運動」を推進しています。8020運動という言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるかと思いますが、実際にその目標に向けてオーラルケアを頑張っている人は一部に限られることでしょう。そこで今回は、8020運動の内容やその重要性についてわかりやすく解説します。
▼8020運動とは
8020運動とは、80歳になった時に20本の歯を残せるように口腔ケアを頑張りましょう、という取り組みです。どんな食材でも不自由なく噛むことができる歯の本数が20本であるため、このような数字が掲げられています。80歳にもなると、いろいろな理由で歯を複数本失う人も増えてくるので、意識的に歯を残していくことが大切なのです。
▼8020運動の達成率
ひと昔前までは、8020運動の目標達成者はごく一部でした。それが最近では、50%を超えるようになってきており、日本でも予防歯科の考え方広く普及したことを実感します。それでも予防の先進国である欧米には遠く及ばない数値となっています。
▼自分の歯で噛めることの大切さ
若い頃は自分の歯で噛めることが当たり前ですが、年を取るにつれて歯を1本、また1本と失っていくと、人工歯の使いにくさに気付きます。昨今はインプラントのような優れた人工歯も開発されていますが、やはり天然の歯には敵いません。とくに80歳になって天然歯が20本を下回ると、食べること、飲み込むこと、しゃべることに大きな支障をきたすようになります。その結果、QOL(人生の質)まで低下してしまうのです。そうならないためにも、8020運動の目標達成に向けて、日々の口腔ケアを頑張っていきましょう。
▼まとめ
このように、8020運動の目標は、人生の質を維持する上でも極めて重要なものです。ご自身の人生をより豊かなものにするためにも、歯を喪失することはできるだけ避けるようにしましょう。その上で重要なのは、定期検診やメンテナンスをしっかり受けることです。
オーラルフレイルとは何か?
2022.09.07(水)
■オーラルフレイルとは何か?
皆さんは「オーラルフレイル」という言葉をご存知でしょうか?お口の健康に関わる考え方で、提唱され始めたのがそれほど昔ではないため、よく知らない方も多いことかと思います。今回はそんなオーラルフレイルについてわかりやすく解説します。
▼口腔機能の衰えを意味する言葉
オーラルフレイルとは、簡単にいうと「口腔機能の衰え」です。つまり、噛んだり、飲み込んだり、言葉を発したりする機能に衰えが見られる状態を指します。これは虫歯や歯周病といった具体的な病気とは少しことなるため、なかなかイメージしにくい人も多いかもしれませんね。そこでオーラルフレイルを簡単にセルフチェックできる項目を以下に記載します。
▼オーラルフレイルのセルフチェック
次に挙げるような症状がある場合は、オーラルフレイルが疑われます。
・硬いものが食べにくくなった
・汁物を飲み込む時にむせやすい
・食べ物を飲み込みにくい
・言葉を上手く発音できなくなった
・唾液の量が減ってお口が乾燥しがち
こういった症状は、日常生活に支障をきたすほどではないため、多くの場合で見過ごされがちです。けれども、オーラルフレイルを放置すると、口腔機能がどんどん低下していくことから、できるだけ早期に対策することが望ましいです。
▼オーラルフレイルの対策方法
オーラルフレイルでは、積極的な歯科治療を必要とするケースはそれほど多くありません。まずは口腔周囲の筋肉を強くする体操から始めましょう。口腔乾燥に関しては、唾液腺マッサージで症状の改善が見込めます。失った歯を放置して口腔機能が低下している場合は、早急に補綴治療を受けましょう。
▼まとめ
このように、オーラルフレイルはご高齢の方に起こりやすい口腔機能の低下です。噛む、飲み込む、しゃべるといった機能は、生きていく上で極めて重要なものばかりなので、低下している場合は頑張ってリハビリしていきましょう。当院までご相談いただければ、具体的なオーラルフレイルの検査も実施することができます。検査の結果に合わせて、オーラルフレイルへの対策方法もご説明します。
虫歯のリスクが人によって違うって本当?
2022.08.24(水)
■虫歯のリスクが人によって違うって本当?
虫歯は自然に治らない病気であり、一度かかると必ず歯を削らなければならないため、できる限り予防したいものですよね。そのためには毎日正しい方法で歯磨きをする必要があるのですが、それほど真面目にケアしていなくても、全く虫歯にならない人もいます。これは虫歯のリスクが人によって違うからです。今回はそんな虫歯のリスクの個人差についてわかりやすく解説します。
▼酸に対する抵抗力の違い
私たちの歯は外側をエナメル質、内側を象牙質で覆われており、その構成は誰もが同じです。ただ、エナメル質の酸に対する抵抗力には個人差が見られます。専門的には耐酸性能(たいさんせいのう)と呼ばれるもので、石灰化がしっかり起こっている歯はこの酸に対する抵抗力が高くなっているのです。普段からフッ素を口腔ケアに活用している人の歯は、石灰化も進んでいることから、虫歯のリスクも低くなっています。
▼唾液の分泌量による違い
唾液には、抗菌作用、殺菌作用、自浄作用などが期待できます。つまり、唾液がたくさん分泌されている人は、自ずと虫歯のリスクも低下するのです。逆に、唾液分泌量が少なく、口腔内が乾燥しがちな人は、虫歯菌が繁殖しやすい環境にあるため、虫歯のリスクも高くなっています。
▼虫歯菌に感染していない人もいる?
虫歯は細菌感染症の一種なので、そもそも虫歯菌に感染していなければ、虫歯を発症することもありません。例えば、赤ちゃんが初めて虫歯菌に感染するのは、1歳半から2歳半の“感染の窓が開く時期”が多いと言われていますが、この時期に感染が起こらないとそれ以降もお口の中に虫歯菌が住み着きにくくなることがわかっています。これもまた人によって虫歯のリスクが大きく異なる理由のひとつといえます。
▼まとめ
このように、虫歯のリスクに個人差がありますが、何よりまず大切なのは正しい方法で毎日口腔ケアすることです。とくにリスクが高い人はセルフケアとプロフェッショナルケアを両立させることをおすすめします。また、虫歯のリスクをお調べする唾液検査を当院では実施しています。お口のリスクに合わせた治療法やメンテナンス方法もご提案いたします。