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歯の神経が痛い!根管治療とは?【鎌倉の歯科が解説】
2023.11.22(水)
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
歯の神経が痛む「歯痛(しつう)」は、頭痛や腹痛とはまた違った感覚であり、人によっては最も辛い体験となることかと思います。その際、必要となるのが「根管治療」です。今回はそんな根管治療の内容や効果、期間などについて、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼歯の神経が痛い理由
歯の神経は本来、人体で最も硬いエナメル質と象牙質に守れています。外から極端に強い力がかかったりしない限り、痛みが生じることはありません。それが普通に食事をしている時や何もしていない時に痛むようであれば、何らかの異常が疑われます。
◎一時的に炎症反応が起きている
歯を強くぶつけたりした時には、歯の神経に一時的な炎症反応が起こることがあります。これは急性の歯髄炎であり、感染を伴っていないため、自然に治ることが多いです。痛みが強すぎたり、長く続いたりする場合は、歯の神経が死んでしまうリスクもありますので、まずは歯医者さんに相談しましょう。
◎歯の神経に感染が起きている
虫歯が進行すると、歯の神経にまで感染が広がります。感染を伴う歯髄炎は、原則として残すことができません。歯の神経を抜く「抜髄(ばつずい)」を行った上で根管治療を実施します。
▼根管治療ってなに?
根管治療は、虫歯菌などに感染した「根管(こんかん)」を無菌化するための処置です。歯の神経を取り除く抜髄を実施した時点で歯痛はなくなるのですが、そのままの状態では病変がさらに広がるだけなので、根管内をきれいにお掃除しなければならないのです。
▼根管治療は痛い?
もしかしたら皆さんは、「根管治療は痛い」という話を周りから聞いたことがあるかもしれませんね。歯の神経を取り除いているのにどうして痛みが生じるのか、不思議に思われることでしょう。それは歯の根の中の神経ではなくて、歯の周りの組織に分布している神経が反応しているからです。根管治療では、針のような器具を使ってさまざまな処置を加えるため、場合によっては強い痛みを伴います。ただ、必要に応じて局所麻酔を施すこともあり、我慢できないほどの痛みが生じることはありませんのでご安心ください。
▼根管治療にかかる期間はどのくらい?
根管治療は、通常の虫歯治療よりも長い期間を要します。初めての根管治療の場合は、根管内無菌化するのに2~3回の通院が必要になります。過去に根管治療をした歯が再感染した場合は、さらに長い期間がかかるため、十分な注意が必要といえます。
▼根管治療後に痛みがあるのはなぜ?
根管治療が完了した後も、しばらくは歯や歯茎に痛みを感じます。これは根管への処置で物理的および化学的な刺激が加わったためです。そうした根管治療後の痛みは、1週間もすれば軽くなっていきますが、1ヵ月も続くようであれば何らかの異常が疑われますので、主治医に相談しましょう。
▼まとめ
今回は、歯の神経が痛い場合に行う抜髄や根管治療について、鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。根管治療は、歯を残すための大切な処置であり、最後までやり遂げることが大切です。ケースによっては2~3ヵ月かかることもありますが、頑張って通院して、健康な歯を取り戻しましょう。
歯医者と市販の歯磨き粉はどう違うの?歯科医が解説!
2023.11.08(水)
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
虫歯や歯周病予防の基本は、市販の歯磨き粉を使ったセルフケアです。毎日適切な方法で歯磨きすることで、歯垢や歯石の形成を防止でき、虫歯菌・歯周病菌の繁殖を抑えられます。ただ、市販の歯磨き粉を使ったセルフケアだけで、虫歯・歯周病予防を徹底するのは難しいのが現実です。そこで今回は、歯医者で受けるクリーニングと市販の歯磨き粉を用いたブラッシングの違いについて、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼歯医者の歯磨き粉と市販の歯磨き粉の違い
始めに、歯医者で使っている、もしくは売っている歯磨き粉と市販の歯磨き粉の違いについて解説をします。結論からいうと、両者には極端な違いはありません。適切な方法で歯磨きできているのであれば、わざわざ高額な歯医者の歯磨き粉を使わずとも市販の歯磨き粉で十分といえます。その上で違いを述べるとなると、配合されている成分の違いですかね。歯医者で取り扱っている歯磨き粉は、虫歯予防効果が期待できるフッ素が高濃度で配合されていたり、歯周病や知覚過敏によく効く薬用成分が多く含まれていたりすることが多いです。そのため、より質の高い歯磨き粉を使いたいという方には推奨できます。
◎発砲剤が含まれていないことが多い
歯医者の歯磨き粉には、泡立ちを良くする発泡剤が含まれていないことが多いです。これは一般の人からするとデメリットのように感じるかもしれませんが、汚れをしっかりと落とす上では有用です。なぜなら、泡立ちが良いとそれだけで歯磨きしたという満足感が得られるからです。泡立ちがないとしっかり磨かなければ、歯の表面のヌルヌルなどが気になってしまいます。
▼クリーニングとセルフケアのブラッシングは大違い?
次に、歯医者で受けるクリーニングと市販の歯磨き粉を使ったブラッシングの違いですが、これには雲泥の差があります。というのも、クリーニングでは口腔ケアのプロフェッショナルである歯科衛生士が電動のブラシと研磨剤を使って、1歯1歯ていねいにいくため、磨き残しはほぼゼロになります。それだけではなく、クリーニングではセルフケアのブラッシングでは落とせないバイオフィルムや歯石、ステインなども一掃できるのです。それだけに歯医者でのクリーニングは定期的に受けることが強く推奨されます。
◎バイオフィルムや歯石を取り除けるメリット
どんなに歯磨きが上手な人でも、歯磨きだけでケアを完結している場合は徐々に汚れが堆積していきます。これはバイオフィルムや歯石が原因です。上述したように、これらはセルフケアでは取り除けないだけでなく、細菌の温床となる汚れであるため、さらなる歯垢・歯石の沈着を促してしまうのです。雪だるまを作る時をイメージするとわかりやすいかもしれません。何もない状態では雪だるまを作ることはできませんが、ほんの小さな雪の塊があれば、地面を転がすだけでどんどん大きくなりますよね。それと同じような現象が歯面の汚れでも起こるものとお考えください。
▼まとめ
今回は、歯医者と市販の歯磨き粉の違いについて、鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。歯医者で販売・使用している歯磨き粉と市販の歯磨き粉に大きな違いはありませんが、クリーニングとセルフケアのブラッシングには大きな違いがあります。どちらかが欠けても虫歯・歯周病予防が不十分となりますので、プロケアとセルフケアを両立させるように頑張りましょう。
【虫歯・歯周病予防】定期検診はどれくらいの頻度で通うべき?
2023.10.25(水)
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
お口の2大疾患である虫歯と歯周病は、感染症の一種ではあるものの、風邪やインフルエンザ以上に厄介です。日本人が歯を失う原因の1~2位を占めており、予防するに越したことはありません。その際、有用なのが歯科の「定期検診」です。今回はそんな定期検診の適切な頻度について、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼3~4ヵ月に1回が標準
歯科の定期検診は、3~4ヵ月に1回くらいが標準的です。1年に1回の健康診断と比較すると、かなり高頻度な印象を受けますが、そもそも「検診」と「健診」には大きな違いあり、混同しないように注意しなければなりません。ここを間違えると、歯科の定期検診を受ける頻度も自ずと減っていってしまいますからね。
◎「健診」と「検診」の違いとは?
学校や職場などで1年に1回受ける健康診断(健診)は、からだ全体の異常の有無を大まかに見るためのものです。いわゆる「スクリーニング検査」に近い特性があり、個々の病気の重症度や進行度を細かく調べることはできません。一方、「検診」は個々の病気をしっかり調べるための検査であり、病気の有無以外にも細かくチェック可能です。そして歯科の定期検診は、「健診」ではなく「検診」であることを理解しておくことが大切です。
▼虫歯や歯周病は進行の早い病気
例えば、全身の健康診断で異常が認められる部位があった場合、「1年に1回は検査を受けるようにしてくださいね」と言われることがありますが、進行の早い病気である虫歯や歯周病では、そうした対応では不十分となります。1年後にまた検査を受けたのでは、病気もある程度、進行してしまっているからです。3~4ヵ月に1回くらいの頻度で定期検診を受けていれば、虫歯や歯周病を早期に発見できますし、予防することも難しくなくなります。
▼1~2ヵ月に1回の通院が推奨されることも?
患者さまのお口の状態によっては、1~2ヵ月に1回くらいの頻度で定期検診を受けた方が良い場合もあります。とくに歯周病の治療を受けてきて、とりあえずは症状が落ち着いているけれども、またいつ再発するかわからないような状態であれば、1~2ヵ月に1回は歯科で経過を見てもらうようにしましょう。その他、お口の中が汚れやすく、これまでもたくさんの虫歯治療を受けてきた方も1~2ヵ月に1回通院しても良いといえます。
▼学校歯科健診を受けている子どもは?
子どもは1年に1回、学校で歯科健診を受けるため、定期検診まで受ける必要はないのでは?と思われがちですが、ここでも「健診」と「検診」の違いを意識しなければなりません。そもそも学校歯科健診で児童1人あたりにかけられる時間は1分程度であり、そこで正確な診断が下せるはずもないので、子どもも大人と同じように3~4ヵ月に1回はかかりつけ医での検診が必要といえます。それは学校歯科健診で特別な異常を指摘されなかった場合も含めてです。
▼まとめ
今回は、歯科の定期検診を受ける適切な頻度について、鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。特に大きな問題を抱えていない人は、3~4ヵ月に1回、虫歯・歯周病リスクがもともと高い人は1~2ヵ月に1回くらいの頻度で定期検診を受けると良いでしょう。
【虫歯】歯を磨かないとどうなるの?虫歯になる流れを解説!
2023.10.11(水)
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
私たちは小さい頃から「歯は磨いて当たり前」であることを教えられます。それは正しいことなのですが、もしも歯を磨かないとどうなるのかも気になりますよね。今回はそんな歯磨きをしなかった場合に起こるお口のトラブルを「虫歯」を中心にわかりやすく解説します。
▼歯を磨かないと何が起こる?
歯磨きは本来、食事をする度に行うべきものです。食事をすると必ずお口の中が汚れるため、そのまま放置するわけにはいかないのです。けれども、私たちの唾液には自浄作用や殺菌作用、歯の再石灰化作用があるため、歯を磨かなくても実は問題ないのでは?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。実際、唾液にはそうした作用が期待できますが、歯を磨かなくても済むほどのものではありません。そこでまずは歯を磨かないことで起こる現象を時系列順にみていきましょう。
◎食べかすが残る
歯を磨かないと食べかすがお口の中に残ります。食べかすはお口の中の細菌のエサとなり、その活動を活発化させるでしょう。
◎歯垢が形成される
食事から歯磨きをせずに放置していると、24時間程度で歯垢(プラークの)が形成されます。歯垢は細菌の塊であり、その中には虫歯菌や歯周病菌が含まれます。
◎歯石が形成される
歯垢が形成されて歯の表面に残り続けると、2週間程度経過したら「歯石」に変化します。歯石は歯垢が石灰化作用を受けて文字通り石のように硬くなった物質で、歯ブラシによるブラッシングでは除去できません。しかも表面がザラザラしているので、さらなる歯垢の形成に寄与します。
◎歯の脱灰が始まる
歯の表面に歯垢や歯石が堆積していると、虫歯菌が産生する酸によってエナメル質が溶け始めます。これを専門的には「脱灰(だっかい)」といい、虫歯で歯の表面に穴があく現象そのものを指すのです。
◎歯の脱灰は止まらない(虫歯は自然に治らない)
歯の脱灰が始まってもなお歯磨きをしないでいると、虫歯もどんどん進行していきます。虫歯は自然に治ることのない病気なので、放置するほど重症化していくのです。
◎虫歯が重症化して痛みが生じる
虫歯が進行すると、歯痛(しつう)が生じるようになります。これは歯の神経にまで感染が広がった証拠です。いわゆる歯髄炎(しずいえん)の痛みは日常生活に支障をきたすほどであり、歯磨きが嫌いな人や歯医者さんが苦手な人も、この段階まで行くと治療を受けるために歯科を受診します。治療を受けずさらに放置すると、歯の神経が死に、歯の頭の部分である歯冠がボロボロになり、根っこの部分だけ残った残根状態(ざんこんじょうたい)となります。
▼歯を磨かないリスクは他にもある?
歯を磨かないことで生じるリスクは、虫歯だけではありません。お口の中が不潔になると、口内炎ができやすくなったり、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などにもかかりやすくなったりします。高齢の方は、お口の中の細菌が気道に入り込んで炎症を引き起こす「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」にも注意しなければならなくなります。
▼まとめ
今回は、歯磨きをしないことのリスクについて、鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。歯磨きをしないことにメリットはなく、デメリットしかありませんので、皆さんは毎日しっかりブラッシングするようにしてくださいね。歯科医院でのクリーニングも定期的に受けることで、虫歯・歯周病を予防しやすくなります。
【インビザライン】歯を削るIPRって大丈夫?安全性を鎌倉の歯医者が解説
2023.09.20(水)
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
歯並びの治療を行う際、スペースが不足している場合は抜歯を行わなければなりません。健康な歯を抜く「便宜抜歯(べんぎばっし)」には強い抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、美しくて健康的な歯並び・噛み合わせを構築する上で重要な処置なのです。ただ、スペースの不足が軽度であれば、歯を削ってスペースを作り出す「IPR(アイピーアール)」という処置で対応できることもあります。今回はそんなIPRをインビザラインの症例で行う安全性について、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼そもそも「IPR」ってなに?
「IPR(Inter Proximal Reduction)」とは、日本語で「歯と歯の間を削合する」ことを意味します。少し難しい英単語も含まれていますが、日本語に訳せばとてもシンプルですね。歯を削ってスペースを確保し、歯並びの乱れをきれいに整えます。
▼健康な歯を削っても大丈夫?
IPRで歯を削ると聞いて、まず心配になるのが安全性ですよね。私たちの歯は人体で最も硬いエナメル質で覆われていますが、損傷を受けるとさまざまなリスクが生じます。それを専用の器具で削るのは果たして安全なのか。
◎削る量は極わずか
IPRで削る歯の量は、極めて微量です。具体的な切削量は、0.1~0.3mm程度にとどまります。エナメル質の厚みがだいたい1~2mm程度なので、IPRによって象牙質が露出することはまずありません。切削範囲がエナメル質内にとどまるということは、知覚過敏の症状が現れるリスクもほとんどないということになります。
◎歯へのダメージも最小限にとどまる
エナメル質を専用の器具で削るIPRは、歯へのダメージがゼロではありません。何も手を加えていない天然歯よりはダメージを負うことになりますが、その結果として虫歯にかかりやすくなったりすることはほとんどありませんのでご安心ください。
◎十分なスペースを確保できるの?
IPRは、複数の歯に対して行われる処置です。歯の側面を削る量が0.1~0.3mm程度であっても、それが複数本になると合計でかなりのスペースを確保できますよね。もちろん、小臼歯などを丸ごと1本抜いた方がスペースも作りやすいですが、お口全体の健康を考慮した場合は、IPRの方がメリットも大きくなります。ただし、IPRを適応できるのは、スペース不足が軽度の場合に限ります。たくさんのスペースが不足しているケースでは、便宜抜歯を行わなければ治療が難しいです。
▼インビザラインでIPRを行うメリット
マウスピース矯正のインビザラインは、抜歯症例にあまり向かない矯正法といえます。抜歯が必要なケースはそもそも歯列不正の重症度が高く、歯を大きく動かさなければならないため、三次元的な歯の移動が得意であるワイヤー矯正の方が向いているのです。ただ、今回ご紹介したIPRを実施することで足りないスペースを作り出すことができるので、マウスピース矯正のインビザラインでも抜歯をせずに治療を進めることが容易となります。そうしたことから、インビザラインではIPRを行うことが珍しくありません。患者さまにとっても歯を丸ごと抜くよりは、側面を少しずつ削るIPRの方が安心ですよね。
▼まとめ
今回は、歯列矯正で行う「IPR」という処置法について、その手順や安全性を鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。IPRについてさらに詳しく知りたい方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。